骨髄バンク 〜手紙〜
移植が終わり、1年間に2回だけ、患者さんとドナーの間で手紙のやりとりが許されます。
期待してはいけないと思いつつもやっぱり気になっていましたが、手紙はいつまで経っても来ませんでした。
もしかしたら手術がうまくいかなかったかもしれない。
亡くなってしまったのかもしれない。
うまくいったけど、病状が回復していないのかもしれない。
等、色々考えてしまいました。
やりとりができる期限が終わった頃、担当の方から「手紙が届いた」と連絡がありました。
そこには丁寧な文字で、感謝の気持ちが綴られ、「早く手紙を出したかったものの、回復がなかなかで最近やっと文字が書けるようになった」こと「もし名前がわかるなら、自分に子供ができた時に名付けたい」というようなことが書かれてました。
そして親御さんからも「息子の命を助けて下さりありがとうございました」と短いながらもすべての思いが伝わるお手紙が同封されていました。
本来、1年を過ぎてしまったのでやりとりは出来ないのですが、今回だけ特別にということで、1度だけこちらから返事を書くことが許されました。
主人は思ったことをありのままに、私は家族として、自分も子を持つ親として思ったことや、元気に回復されたことがなにより嬉しいという思いを正直に伝えました。
移植して2年程経ちますが、その手紙はとても大切にしまっています。