電車でからまれていた女の子
前回は電車でのいい話を書きましたが、ふと思い出したので、逆に世間は冷たいなという話を書きたいと思います。
独身時代、遠くに遊びに行った帰りの電車で、高校生らしき大人しそうな女の子が、何やらおっさんにずっと文句?を言われていました。
状況が全くわからないのですが、たぶん絡んでいただけだと思います。けっこう人が乗っているものの、皆見て見ないふりをしていました。
私が女学生の立場だったらうっとーしいので、逆に文句を言い返すか、さっさとその場を離れると思いますが、たぶんその子はそんなことできないんだろうと思い、無駄に正義感が出てしまい、どうやって助け出そうかと考えました。
とりあえず私は席に座っていたので、『私が席を立った瞬間、他のやつが私の席をとるなよ』と思いながら、まっしぐらに私に背を向けていたおっさんに向かっていき、おっさんの横から無言で女の子の手を引っ張り、私が座っていた席に座らせて、近寄らせないために私がその女の子の前に立ちました。
一応追いかけてきたら、悪いけどまったく関係のない周りの男性に助けを求めようとか、車掌さんがいるところまでダッシュしようとか考えてはいましたが、幸いおっさんは近寄って来るでも文句を言いに来るでもなく、ちっといった感じでその場でブツブツ言って、次の駅で降りて行きました。
無事救出した女の子に「大丈夫?」と声をかけたらほっとしたのか泣き出してしまいました。
なぜこんな状況になっていたか多少(というかけっこう)気になりましたが、きっと怖い思いをしていたんだろうなと思い、特に何も話しませんでした。
先にその子が降りたのですが、降り際に特にお礼を言われるわけでもなく、一礼をすることもなく降りていったので、『あれ?ありがとうとか助かったとか言えないにしても頭下げるくらいしてもよくない?私も多少怖かったよ』とややつまらない気持ちになりましたが、それすらもできないくらい怖かったんだろうな、まぁ、いいことをしたと思っておこうと自己満足してやり過ごすことにしました。
今回のように私や私が助けを求めてとばっちりを受けなければならなかったかもしれない人にも危害が加わらなかったのでよかったですが、世の中本当に変な人も多く、下手すると刺されたりすることもあるので、関わらないのが一番とは思いながら、世間って冷たいよなと思った出来事でした。